音楽療法について

 「音楽療法」という言葉を知っていますか?これは、音楽の持つ力を利用して心身共に健康に導いていく治療法のことを言います。これはかなり古い歴史のあるものですが、日本でも研究が進み音楽療法の研究所などが存在します。ここでは、音楽療法の効果や役割、活用方法などを紹介しています。モーツァルトの音楽療法が健康に良いということは有名な話ですが、その他にも、オルゴール音楽療法や音楽療法に適した楽器を紹介しています。

音楽療法の基礎知識

♪音楽療法とは?

あなたの好きな音楽は、何でしょうか。そして、あなたは、その音楽を聴いて、どんな気分になりますか?好きな音楽を聴いて、楽しい気持ちになったり、スッキリした気持ちになったというような経験は、は誰にでもあると思います。

その気持ちの通り、音楽には、不思議な力が秘められています。この力を最大限に利用して、心身共に健康に導いていく治療法のことを、音楽療法と言います。また、音楽を聴くだけでなく、楽器を弾いてみたり、歌を歌ってみたりすることも、音楽療法に含まれます。音楽療法は、最近、いろいろな医療現場において、取り入られており、大変注目されている治療法の1つです。

しかし、音楽が癒しに使われた歴史は、かなり古く、3000年前のユダヤ王サウルのうつ病を、ダビデという羊飼いの若者が、ハーブの調べで治したことは、現代でも語り継がれている話です。古代ギリシャのアリストテレスは、音楽には、身体に溜まった悩みやもやもやを吐き出してスッキリさせる効果があり、それをカタルシス効果と名付けていました。

また、中世時代は、いろいろな面で、キリスト教に強く支配されていた時代です。病気に対する考え方も同様でした。それが、ルネッサンス期に移ると、画家達による解剖図といった美術と医療、そして坐骨神経痛の患者の患部の上で、フルートを演奏し治癒したなど、音楽の総合的な活動が注目され始めます。

そして、近代、音楽療法の主役は、アメリカへと移り、当時の大統領のジョージワシントンも音楽療法に興味を示し、軍隊などにも使われ始めました。現代では、医療において、軍隊だけでなく、精神疾患をもつ患者のレクリエーションとして、楽器を演奏や発声訓練をしたりするなど、うつ病・精神不安定な状態の患者の治療に、積極的に取り入れられています。

また、最近では、重度心身障害児の精神発達のための治療方法としても取り入れられているなど、補助的療法として認知されるほど、その注目度は高まっています。

日本でも、音楽療法は、心と身体を健康に導くという研究が、20世紀に入ってから進み、現在では、全音連認定の音楽療法士が、たくさん誕生している程、注目されている治療法となりました。

♪音楽療法の歴史

音楽療法とは、大きく2種類に分けることができます。音楽を聴く受容的音楽療法と、演奏をするなどの活動的音楽療法の2種類です。この2種類の音楽療法は、その時の生理的・社会的・心理的な効果を利用して、心身の健康の回復や向上をはかる医療行為に役立っています。

音楽量法は、私達が産まれるずっと以前、原始宗教、自然崇拝などの宗教の誕生と、ほぼ同じ時期に誕生したとされています。はじめは儀式や呪術に用いられており、音楽療法を用いて精神を鼓舞したり、他にも、一種のトランス状態を引き起こしたりしていました。

また、ユダヤやキリスト教の賛歌にも、音楽は用いられており、これにより、宗教の信仰が深められていました。また、スピリチュアルな豊かさは、現在にも引き継がています。他にも、この時代に、サウルのうつ病を、ダビデが竪琴で治したといった、治療効果の話は、古くからよく知られています。

また、有名な第二次世界大戦の最中にも、米国の野戦病院では、音楽療法を利用したと言われています。その効果も大いにあったようで、音楽を流したり、演奏したりした野戦病院では、兵士の治癒が早まったと、米国を中心にその治療効果が立証されました。

そういった歴史を経て、現在では、高齢者や引きこもりのケアの現場など、各地において、活発に利用されるようになってきました。

♪音楽療法の役割

音楽療法とは、最近、日本でも、医療の現場などにも取り入れ始めた療法です。人々の生活の中で、必要とされている音楽を利用して、痴呆症や障害を持った子供達の症状の悪化を防いだり、改善していくという心理療法です。

ホスピス・ケアの生活の中では、音楽の意味するところは大きく、生活に、非常に大きな影響があると考えられます。皆さんには、これまで生きたきた人生の中で、楽しかったことや、嬉しかったことの中で、それぞれに思い出す音やメロディーがあると思います。

ホスピスに居る患者さん達も、同じです。思い出の音や、メロディーがあります。それを、生命の危機的状態にある中で思い出すことは、旅立ちの時に、大きな癒しになるだろうとされています。

しかし、現在の日本で、末期がんの患者さんの現場は、非常に短い時間に限られています。その中で、音楽を通してケアするということは、患者さんが望むタイミングで、音楽療法が提供でき、その療法をまた患者さんが受けてくれるかそうかなども問題になってきます。ホスピスを利用されている、がん患者さんは、平均在院日数が、一ヶ月前後です。そして、入院患者さんの半分以上は、一ヶ月以内の入院で死亡退院してしまいます。

従って、ホスピスだけではなく、緩和ケア病棟での音楽療法として、患者さんの治療に関わる期間は、わずか2~3週間ですが、通常1~2週間に一度の療法では、実際に患者さんとかかわれる回数は、1~2回程度になってしまい、これでは十分な療法を提供する事は難しいとされています。

ホスピスケアにおける音楽療法を始める場合には、まず、フルタイムで音楽療法を提供する人材が確保できるかどうかが、大きな問題です。また、人材が確保出来たとしても、音楽療法が可能な日に、患者さんがそれを望んでくれなければ、全く意味がないのです。

♪音楽療法の効果

音楽療法には、様々な効果があると言われています。実際には、どのような患者に、どういった効果があったのかについて、岐阜県音楽療法士(略称GMT)の報告の事例を、いくつか見てみたいと思います。

事故の後遺症があった身体障害者の男性は、ギターを使ったセッションで、爪を弾く指に、力が出てきたという効果があったそうです。他にも、鼻と口の両方から漏れていた息が、ホイッスルでリズムを刻む練習をすることで、コントロールできるようになり、言葉が明瞭化する、いつも怒りっぽい人が、活動中とその後は、穏やかになった、あるいは、あらゆることを拒否していた人が、音楽で揺らされることを好み、その後、人と手をつなぐことができたなど、数多くの音楽療法の効果が証明された事例が報告されています。

活動の様子から研究すると、音楽療法の対象者の性格や、人との関係のとり方が、明らかになってきました。また、人の生き方に、様々ないきさつがあり、さらに、環境にも原因があると考えられています。

自分にはできないと決めていた楽器演奏に対して、音が出てうれしいと思うと同時に、また叩いてみたいという意欲が出てきたり、音楽が嫌いと言っていた人が、ボンゴの音に「おー」という歓声をあげ、そして、引き続き、謡の一節を朗々と歌い出すというようなこともあったそうです。人前で歌を歌い、拍手を受けたといった、まんざら悪くない体験は、交流を促進するという意味で、大きな精神的支えとなったことが、継続的な活動から明らかになったと考えられています。

ふだんはあまり目立たない、おとなしい児童が、音楽の活動をしてみると、母親を始め、周囲が驚くような、さまざまな能力を表し、才能があることがわかり、その子に対する療育の姿勢が大きく変わっていったということも報告されています。

家庭で、小さい頃から、たくさんの音楽や絵本に囲まれて育った精神発達障害児は、本人の意思を表す表現は少ないかわりに、好みの音楽や楽器を利用した活動の中で、本人から周りの人へのサインが増えると言ってよいでしょう。音楽があることで、障害児と母親のスキンシップに積極性が増すということも言えるのではないでしょうか。

♪音楽療法の活用

皆さんが、日々、何気なく耳にしたり聴いたりしている音楽ですが、音楽を聴いて、楽しい気持ちになったり、癒されたりすることはないでしょうか。音楽には、皆さんが想像する以上に、大きな力があると言われています。音楽の力とは、生理的、心理的、社会的な影響力があると言われています。生理的には、身体的に変化をもたらし、心理的には、感情と記憶を刺激し、社会的には、人間同士の交流のきっかけを作ってくれます。

活用法は、皆さんがいつもやっている通り、音楽を聴いたり、歌ったり、楽器を鳴らしたりする、そして、リズムにのって動いたり、または、作曲も効果的とされています。このように、音楽を聴くことを、受動的音楽療法、また、歌ったり、楽器を演奏したり、動いたり、作曲などを行なうことを、能動的音楽療法と呼んでいます。

基本的体験は、受動的音楽療法は、痴呆症やダウン症といった、すべての障害のタイプの利用者に応用することができます。また、能動的音楽療法も、楽器習得は自己規律、自己能力への信頼、人の内的な状態が忠実に出たりすることを、体験することが可能であると考えられています。それでは、具体的には、どういった効果が期待できるのでしょうか。

例えば、アー、ガーという声しか発していなかった、11歳のダウン症の男の子に、約二年間にわたり、30分の個人セッションと、クワイヤーホーンという楽器を鳴らすことで、その音で擬音を表すということを行ないました。その結果、徐々に、発音や言葉だけではなく、歌詞つきの歌も歌えるようになり、太鼓を鳴らしながら歌うことが出来るまでになり、多くの人を驚かせました。

また、60歳代半の男性が、脳梗塞により四肢麻痺なり、意思疎通はアイコンタクトのみになってしまいました。何か楽しめることはないかと考え、かつて彼が好きだった曲を、キーボードで弾きはじめ、レパートリーを広げるうちに、好みの歌手のときには真剣な表情を示したり、フィンガーシンバルで音が出ると、本人が喜ぶといった表情を見てもわかる程の変化を示すようになったという事例も報告されています。

このように、音楽療法は、実に効果がある療法と言えます。現在では、徐々にですが、日本の医療現場にもm取り入れられるようになってきています。

音楽療法を知る

♪音楽療法と心理学

音楽療法とは、音楽の生体に対する、生理的作用の研究に引き続き、心理的作用の研究も、同時に行われてきた治療法です。しかし、生理学的な見地から、音楽に対する情緒反応を予測したり、一般化することは、まだまだ難しいと言えるようです。心理学的なものさしで得られた結果などは、理論的な基盤が弱く、厳密さと一貫性が十分ではないと考えられてしまいます。

定音楽鎮静的音楽とリラックスを目的として、被験者によって選択された好みの音楽を短時間聴取してみると、活気以外の各因子で、明らかに一時的な情動変化が認められました。その変化は、ジャンルやテンポが様々であったにもかかわらず、比較的一貫していました。また、その変化は、不安を和らげ、抑うつ作用や、他にも、敵意を鎮め、疲労を軽減させ、混乱を少なくするなどの効果がありまた。好みの音楽の場合に限り、活気を増すなどの作用も確認されています。

従来、音楽には、人間をホメオスタシスに向かわせる効果と、リラクセーションに導く効果があると考えられていました。この結果は、音楽の聴取が、個人に自覚可能な情動面での変化をもたらし、また感情のレベルが高すぎる人は低下させ、逆に感情レベルが低すぎる人には、上昇させるように働くと考えられています。そして、今度は、健康な学生に、6種類の音楽を聞かせてみたところ、緊張、抑うつ、怒りの尺度が、ダンス音楽が持っている強い陽性効果などが、報告されました。

持病を有する対象者に対する報告もあり、精神科入院患者に音楽療法を行い、半年の経過を評価した結果、統計学的に、思考力や集中力の改善や、混乱の尺度の減弱が認められたそうです。また、癌患者に、10週間、能動的音楽と受動的音楽セッションを行って評価したところ、どちらも気分の改善が認められたそうです。、

2種類のセッション間には、差異はなかったといわれています。他にも、脳卒中後遺症などの神経系の患者で、音楽療法の前後で適用すると、不安、活気、敵意の尺度の改善が確認されたという報告もあります。

♪音楽療法の講座

音楽によって心が安らいだり、何気なく、頭の中にメロディーが浮かんできたり、カラオケで歌を歌うとスッキリするというようなことが、記憶にあるという方は多いのではないでしょうか。

私達人間にとって、音楽は、必要不可欠なものです。音楽は、無意識に、暮らしの中に取り入れられています。それは、実は、自分自身が、いかに音楽に助けられてきたのかを、心の奥底では知っているからだと思います。この音楽の持つ力を利用して、心身のバランスを取り戻すという方法が、音楽療法です。

音楽療法は、専門的に学ぶのではなく、音楽を楽しみながら体験する療法です。例えば、自分自身の現在の状況に合った曲を聴いてみたり、ピアノや、普段使っている楽器などを演奏をしてみたり、リズムに乗って身体を動かしてみたりすることなど、好きな方法で音楽を楽しみながら、心身を共に元気にしていくのが音楽療法です。

その効果は、例えば、言語障害などで、言葉によっては上手に表現できないような人は、音楽に共感したり、一緒に歌って演奏したりすることで、コミニュケーションの糸口がつかめることがあるそうです。そして、相手の心の状態や、社会性に気付くという効果が証明されています。

現に「あー」などの、単語しか喋れなかったダウン症の男の子が、楽器を使い、その音で擬音などを表しているうちに、発言や、うたを歌うようになったという事実もあったそうです。

他にも、皆さんも経験があると思いますが、リラクゼーションの手段としてや、エネルギーの発散とコントロール、そして、アイデンティティの統合、残存機能の維持などにも効果があることが明らかになっています。

最近では、効果別に、音楽療法のCDが発売されたり、医療の現場でも、どんどん使われるようになっています。そして、音楽療法に興味を持つ人も、年々、増加しています。みなさんも、ぜひ1度、体験してみてはいかがでしょうか。

♪音楽療法で脳を活性

皆さんは、音楽がお好きでしょうか。人は、たいてい、多くの時間、何かしらの音楽と触れ合っていると言えます。例えば、ドラマやテレビのCM、街などでお店に入ったときなど、たいていは音楽が流れています。また、この歌を聴くと悲しくなる、嬉しくなると思うようなことも多いですし、ギターを弾いていると、楽しいなど、気分によって、今の自分の気分に合った音楽を聞いたり、弾いたりする人も少なくないと思います。

音楽は、波動がリズムとメロディーで出来上がっているものです。脳波やα波なども波動になります。音楽療法とは、その波動を合わせると変化し、気分によって変わる波形を、脳波のパターンを用いて、病気や治療を予防することができるとされている治療法です。その効果について、いくつかをご紹介したいと思います。

左右から入る直接の音波ではなく、その差異であるバイノーラル効果音をキャッチすることを、パイノーラル効果と言います。 右脳と左脳が互いに連携する必要があり、左右で協力しバイノーラル効果音に集中する過程で脳が活性化すると言われています。

また、2年間の臨床実験において、80%の人が癒しを感じると応えている効果があります。それは、サブリミナル効果と呼ばれています。耳に聞こえないナレーションを音楽の中に取り入れ、潜在意識を活性化し、自分自身が望んでいる状態を作ると言われています。

このように、音楽から得る安らぎや癒しなどの力は、とても大きいというころがわかります。みなさんが、もし疲れたと感じ、癒しを求めたい時には、自分にとって安らぐ音楽を聞いて、疲れた心を癒してあげることも、時には必要なのかもしれません。

♪高齢者の音楽療法

高齢化の進行に伴い、介護保険制度が本格的に制度化され始め、それと同時に、高齢者福祉の現場などにおいては、質の高いサービスが求められるようになってきました。そんな中、最近、高齢者施設等の医療現場では、音楽療法が急速に広まってきています。様々な研究、事例報告等により、音楽療法が効果的な治療の一助となることが証明され始め、介護やケアの1つの方法として、取り入れられるようになってきました。音楽療法が、生活の質の向上に役立つことなどが、その理由として考えられます。

音楽療法の間口は、大変広く、その内容は多岐に渡ると言われています。音楽療法は、主に、音楽を聴くという受動的な方法と、実際に本人が、歌ったり楽器を演奏したりするといった、能動的な方法とに分けられます。音楽療法の受動的な方法は、単調な日々を過ごしがちな施設の入居者に対して、一日の生活リズムに応じて、音楽を聴かせることで、BGMの効果から、気分転換や、情緒の安定に効果があると言われています。また、明るい気持ちになることで、夢や希望を抱かせるのにも効果的です。

また、能動的な方法の場合は、歌を歌うこと自体が、呼吸運動などを円滑にします。また、心肺機能を高め、歌唱や曲にかかわる会話により、物の名前や、曜日、日時、季節感などの現実見当意識を取り戻すことができるという効果が期待できます。

高齢者施設での音楽療法では、広めの部屋に入居者が集まり、セッションを行います。通常40分から60分程度で、音楽療法師が、挨拶しながらイントロに入り、効果音で五感を刺激します。これによって、入居者の反応や、体の調子を把握することができると考えられています。

その後、ストレッチなどの運動もあわせて行い、入居者がなじみの歌を歌ったりします。そして、最後には、楽しく過ごした時間に感謝して、再会を約束し、終了します。これを何回か繰り返すことが、高齢者が元気に過ごせる秘訣になっているようです。

♪欧米での音楽療法

現在、アメリカをはじめ、世界中で、さまざまな現場に音楽療法が取り入れられています。音楽療法は、音楽健康法や音楽レクレーションなど、皆さんが生活の中で聴く音楽を気軽に取り入れる心理療法で、その効果の高さについても、多くの報告がなされています。

音楽療法は、その場が楽しいことがまず重要であり、音楽を聴いたり、楽器を演奏したりすることで、健康を改善されながら、ストレスを解消したり気分転換することができる療法です。後に、評価、検討、研究することは含められず、これらは広義の音楽療法と考えられています。

また、欧米では、現在の日本とは異なり、療法とは治療を含むものと考えられています。欧米の療法は、狭義の音楽療法と考えられます。例えば、特定の対象者がおり、その個人やグループに対応したプログラムが設定されているように、治療者の治療としての意義が重要となってきます。また実践を始めてしまえば、決して、そのまま放置しておくことは許されません。実践された内容を振り返り、検討することが重要とされているのです。

このような治療の中で、ポイントとなるのは、何らかの治療が終わった後で、患者が、どのような点で治療前と比較して良くなったか、それとも、特に変化がなかったのか、逆に悪くなったのかどうかについて、検討するなど、評価を行なううことが必要となります。

一般の人にとって、形や数字を伴わない評価は、音楽健康法やリクレーションの意義は大きいといえます。音楽本来の機能の他、役割の観点などからみると、事実的にはとても重要なのです。音楽療法は、皆さんの1番身近にあって、かつ、大変重要な療法であるといえます。

音楽療法の実践

♪モーツァルト音楽療法

モーツアルトは、天才作曲家として語り継がれています。「シンフォニー(交響曲)」や「コンチェルト(協奏曲)」など、多くのクラッシックを作曲した、世界中で誰もが知っている、偉大な音楽家です。モーツアルトは、会話をしながら、頭の中で作曲を完了したものを、譜面に書いていたそうです。基本的には、言語や会話は左脳で処理され、音楽などは、右脳で処理されていると言われています。そう理解すると、難しいことではないように思ってしまいますが、実際にやってみると、結構大変なものです。モーツアルトは、右脳を使う天才だったのではないでしょうか。

そして、最近は、モーツアルト音楽療法が、大変健康に良いと、人気が出ています。モーツアルトの音楽は、実際に脳を刺激し、自律神経を活性化させる効果があるようです。なぜ、そういった効果が現れるのでしょうか。

一般に、人の健康を支えている生体機能には、刺激を与える高周波を豊富に含んでいます。高周波音は、せき髄から脳にかけての神経系を効果的に刺激して、その結果、健康を支えている生体機能に、良い影響を及ぼすとされています。そして、いろいろあるクラッシックの中でも、モーツアルトの音楽は、3500ヘルツ以上の高周波を豊富に含んでいると言われており、これがそのような効果の原因と考えられます。

また、植物にも、その成長に、モーツアルトの曲が効果的であると言われています。例えば、トマトにモーツアルトの音楽を聞かせると、トマトの発育が早く、甘くなる効果が報告されているそうです。通常の糖度は、4.8%だったのに対して、音楽を聞かせたことによって、2倍以上の、9.3%に糖度がアップしたといわれています。これは、トマトが元気に育つとエネルギーが豊富になり、糖度が高くなったからと考えられています。

最近では、痴呆症や高血圧など、それぞれの病気の効果に合ったモーツアルトの音楽療法のCDが発売されており、音楽療法の決定版と言われています。

♪オルゴール音楽療法

認知症とは、記憶、見当識、理解、計算、学習能力、言語、認識など、脳に障害が起こる病気です。知的機能が慢性進行性に低下することによって、生活上の機能が低下してしまう状態になります。そして、行動異常や、精神変調を伴うことが多々あります。

認知症は、初期は、家族には気付かれず、本人が思い出せないという、歯がゆい思いをするところから始まります。そして、家族がおかしいと感じた頃には、本人は、家族が気付いているということを、理解できないくらい、進行していると言われています。

そして、本人が一時的に、正常な状態に戻ったとき、家族にすまないないという気持ちを持ちますが、次の瞬間には、また判らなくなってしまうのです。これまでは、こういった認知症は、改善できないとされてきました。

しかし、認知症にも、音楽療法は効果的とされています。90歳の男性が、認知症の障害が進み、不眠症で、睡眠薬が投与され、便秘の下剤を飲むほどになってしまったそうです。その時、1日2時間から4時間、オルゴールの音楽療法を始めたところ、身体中が温かくなることから始まり、1ヵ月後には、睡眠薬が要らなくなりました。また、その後、便秘も見事に解消したそうです。

また、痴呆症の主な症状といえる、ボケの症状も薄れていき、頭がはっきりしました。また、それだけではなく、難しい熟語や、おつりの計算、昔会っていた友人を思い出したり、1人で散歩からも帰って来るなど、家族が驚くほどの変化があったそうです。

このように、通常の治療では、考えられないことですが、認知症だけではなく、アルツハイマー病も、大きく改善されたと事例もあります。もし、認知症で悩んでいる方がいらっしゃったら、オルゴール療法を試してみるのもいいかもしれません。

モーツアルトの音楽療法CD

音楽療法は、人の気持ちを癒したり、他にも、高齢者の痴呆症など、さまざまな病気に効果的と言われています。しかし、音楽療法は、日本では、まだまだ、十分に広まっているとは言えません。音楽療法士の仕事も、ボランティアが中心であり、現状では、人数も少ないとされています。

そんな人のために、モーツアルトの音楽療法のCDをおすすめします。モーツアルトの曲は、音楽療法の効果として必要な、高い高周波を出すと言われています。そのモーツアルトの曲を、日本における免疫音楽療法楽の第一人者と言われる、和合治久教授の監修の下、モーツアルトの中でも、効果の高い音楽を選曲したCDが出されたそうです。この音楽療法CDは、患者別に種類が判れているので、どれを聞かせればいいのか、すぐ判るようになっているそうです。


1、脳神経系疾患の予防

聴力や耳鳴りの予防・改善や、味覚異常や視力低下なども、予防効果があります。また、アルツハイマー、パーキンソン病の改善など、老人性痴呆症、パーキンソン病、難聴などに効果があると言われています。


2、血液循環系疾患の予防

高血圧、心筋梗塞、動脈硬化、脳梗塞などの症状、高血圧や、激しい心拍が下がる、だ液がたくさん分泌され胃の活動が高まり便秘が改善されるなどの効果があります。


3、免疫系疾患の予防

免疫物質の分泌が高まり、インフルエンザウイルスなどの病原菌を撃退する力が増します。がんや自己免疫病の因になる活性酸素を、押さえてくれる療法があるので、感染症、膠原病、アトピーなどの予防に効果があると言われています


また、1枚のCDの中は、1から5までのステージに分かれており、それぞれ「挑戦」、「決意」、「歓喜」といったイメージの名前がつけられています。そして、それぞれのステージで、どのように音楽を聴いたら、より高い効果を得られるかということについて解説されています。また、このCDの効果を、より多く引き出すための秘訣など、医学的見地に基づく和合教授の解説が付いているので、本当に音楽療法に適したCDと言えます。

認知症音楽療法

認知症を緩和するケア方法というものがあります。その中に音楽療法などがあり、定期的におこなっているところもあります。音楽療法の先生がピアノ演奏などをおこなって老人ホームなどに入居されているかたが音楽を楽しむというスタイルです。

音楽療法は音楽の先生と精神科の先生が協力することによってできる療法で、音楽の先生のピアノの演奏にあわせて懐かしい歌を歌ったりすることもできます。また歌にあわせてボールでたのしんだり打楽器をつかってリズムをとったりするというプログラムです。音楽やリズムをつかって記憶をよみがえらせるといった効果もあるそうです。

また、音楽療法に参加する入居者のかたたちが一緒に体験することによって仲間意識などもうまれてきます。普段よりもコミュニケーションが取りやすくなるのではないでしょうか。何度か体験していくうちに明るい表情で楽しんでいる様子もわかってくるようです。リズム感も養われますので音楽療法が楽しくなってきますよね。

他にもスウェーデンの音楽療法の専門家をまねいた音楽療法のプログラムなども開催されることがあります。専門家のかたはステン・ブンネ氏で、独自の手法をもって開発された音楽療法をつかっており音楽療法の分野では第一人者のようです。ブンネ法とよばれる音楽療法は基本的な人間が持つ能力や昨日を保持したり促進させたりする効果があります。

 

 

音楽療法の癒されるコツ

音楽で癒しを求めるということはよく言われているようですが、その時にどのような音楽を選ぶのか、そしてどのような聴き方をするかによって効果の現れ方に差が出てくるそうです。最近では、リラクゼーションを目的で音楽を聴くという人がずいぶん増えてきたようです。けれども、音楽から十分な癒しの効果を得るためには、音楽の選び方や使い方がとても大切になってくるということを知らない人のほうが多いようです。

癒し系の音楽といえば、一般的にBGMのような感じに使う方のほうが多いようですが、脳の活性効果をねらう場合は適当な音楽を流しっぱなしで聴くよりも音楽療法用のCDを選んである期間に集中して聴くことが大切のようです。脳波にはγ(ガンマ)波、β(ベータ)波、α(アルファ)波、θ(シータ)波、δ(デルタ)波の5つの種類があり、リラックスしたい場合にはアルファ波に脳波を導くとよいでしょう。

一般に販売されている音楽療法用のCDもこのようなタイプが圧倒的に多いです。その中には、独自の方法をつかってアルファ波だけではなくてシータ波に導くものもあります。それは長く聴いているうちに脳の緊張が解けていき集中力を増進させたり、記憶力を高めるといった効果を期待することもできるといわれています。

◆5つの脳波とその性質について

・γ(ガンマ)波 30ヘルツ以上 怒りを感じていたり興奮をしているとき

・β(ベータ)波 14~30ヘルツ 緊張していたり警戒しているとき

・α(アルファ)波 8~14ヘルツ リラックスしているとき、集中しているとき

・θ(シータ)波 4~8ヘルツ 浅い睡りの状態のとき、瞑想しているとき

・δ(デルタ)波 0.5~4ヘルツ 深い睡眠に入っているときや無意識の状態

 

身近な音楽のなかで、優れた癒し効果を得ることができるもののなかには、モーツァルトがあります。実は、モーツァルトは感覚的に脳を活性化することのできる音を組み合わせた癒しの音楽を作曲することのできたとても少ない天才のひとりといわれています。モーツァルトの音楽で素晴らしいところは、脳がさえた状態であってもリラクゼーションに導くことができるということです。勉強や仕事の能率が悪くてどうしたらいいのか悩んでいるという人は、モーツァルトの音楽を聴いてみるとよいかもしれませんよ。

癒しの音楽を聴くためにはヘッドフォンとポータブルCDがあれば、いつでもどこでも音楽療法を実践することができます。ヘッドフォンを使ったほうがよいとされているのは音楽療法用に作られている高品質の音楽の場合です。もともとBGMを目的として作られている環境音楽は、ヘッドフォンで聴く必要はないようです。

音楽療法用のCDの場合にはヘッドフォンを使うことによって音楽の影響をより強く感じることができます。そのため音楽療法の効果があがるのです。耳をすっぽりと覆って雑音をシャットアウトするタイプのものをつかうとよいでしょう。耳にはめ込むタイプのヘッドフォンやイヤホンなどは音楽療法には不向きです。また雑音の入りやすいコードレスなどもあまり良いとはいえません。音楽療法をおこなうのであればなるべく質のいいものを選んだほうが良いかもしれません。

 

 

音楽療法の時間

音楽療法で聴く曲は1日にどのくらい聴くとよいのでしょうか。それはリラックスした状態で聴くことが一番よく音楽を聴くといった時間を意識的につくることも大切なようです。だいたい1日に30分から1時間以内の時間にしておいて初めのうちは毎日聴くようにします。それからインターバルをおいてみます。それからまた毎日聴くようにしてその後に週に何日かは聴かない日をつくるといったようにします。このようにしてある一定の期間に集中して聴くことによってセラピーの効果が高まるようです。

音楽療法で聴く音楽というものは個人差はありますが、本当に癒しの効果を得るためには100時間から200時間くらいは集中して聴く期間を設けることが必要のようです。このときに大切なことはリラックスした状態で聴くということで雑誌や本を読みながら聴いてもよいみたいです。また気に入っている椅子でくつろぎながら聴いてもよいですし、横になって聴いても良いみたいです。どんなに忙しい状況であっても1日のなかで30分くらいであればヘッドフォンをつけて音楽を聴く時間を作ることができるのではないでしょうか。

また音楽療法に関係していないとしても1日のなかで最低でもこのくらいの時間はリラックスできる時間をもうける必要があるとおもいます。きくときの音楽は飽きてしまうと効果がおちてしまうこともありますので3枚から4枚くらいのCDを組み合わせて聴くとよいでしょう。

 

 

音楽療法と痴呆

音楽療法の効果を検証してみると痴呆症状が改善されるということがわかっています。音楽療法を定期的におこなうことによって効果がかなり期待できるようです。99年に老健の高齢者を対象にして実施された調査によると週に3日、音楽療法をおこなってみたところ、「徘徊」や「睡眠障害」などの症状に悩んでいるお年よりの方、15人のうち14人に改善点が見られたそうです。それでは、なぜ、音楽療法は痴呆に効き目があるのでしょうか。音楽療法のプログラムでは、歌いながらリズムに合わせて手や指を動かします。そして振りつけをしたり、楽器を使ったりする工夫もしています。指先や手首、身体の動きにより脳の神経細胞が刺激されるということになります。

また、昼間に音楽療法によってこのようなケアをおこなうことで、乱れたサーカディアンリズムが正しくなっていきます。昼間、眠ってしまいがちなお年よりは、夜になるとなかなか寝付けずに、徘徊をしてしまったりせん妄に陥るケースもあるようです。このような現象は、昼間に活動することによって防ぐことが可能です。サーカディアンリズムとは生体に内在している毎日のリズムのことなのです。

痴呆の原因としては、「アルツハイマー」と「脳血管障害」という2つの病気があることがわかっています。けれども実際には、無気力状態から寝たきりとなってしまいだんだんと会話や表情を失っていくという「病因なき痴呆症状」のかたも意外と多いのです。このような方々の場合には音楽療法がよい刺激となりますので痴呆の改善につながりやすいようです。

 

 

音楽療法の歴史を紐解く

音楽療法の歴史を紐解いてみると音楽療法というものが確立される以前、ずっと昔の話ですが、エジプトの司祭を兼ねた医者たちは、受精能力に効果があると思われる音楽の魔法を心得ていたそうです。エジプト人は音楽を「魂の薬」と呼んでいたそうですよ。ペルシャ人はリュートの音によって万病を治していたそうです。そして孔子は「音楽は生活の調和に役立つ」と説いていたそうですよ。プラトンは「心身の健康は、音楽によって得られる」という言葉を残しています。

アリストテレスは「情緒のカタルシスに音楽が有効である」という言葉を残しています。ピタゴラスは「音楽は、心身の健康上大きな治療的役割をもったものである」というような言葉を残しています。古代では古代ギリシャ人のゼノクラテス、サルペンダー、アリオンは、精神錯乱の激しい発作を抑えるための手段として音楽を用いたそうです。セルススは昔の医学の権威ですが病気の性質に応じて、精神病の患者の心を動かすいくつかの方法を指摘していたそうです。こんなにも昔から音楽というものが重宝されてきたのですね。

時代がとんで18世紀以降の話ですが、カルロ・ブロッシ・ファリネリというかたは18世紀最大のカストラーナといわれていました。彼は、当時のスペイン国王であったフェリペ5世の“悪性のメランコリー”を治して王政に復活させたと伝承されています。ブロックレズビー博士は、音楽に富んだ両親の間に生まれた2人の子どもにたいして一連の実験を試みて音楽が子どもの気分を明瞭に支配するのかどうかを観察したという記録があります。まだまだ歴史的にさまざまな方たちが音楽療法に関して関わっているようです。

 

 

音楽療法と運動

近年では人間のライフスタイルの変化があげられます。動物は食物を得るために身体を動かしますよね。そして必要以上の獲物を捕らないでわたしたち人間のようにスポーツをしたりしてわざわざカロリーを消費することもありません。哺乳動物のヒトの場合は、身体を動かすことは、生命を維持するために基本的でかつ必要な行動なのです。

人の移動手段は基本的には歩行ですが、江戸時代では一般的庶民は1日に2万歩から3万歩もの距離を歩いたとされています。ごくごく最近までは農業や漁業、林業などに従事している人の労働はとても厳しくて工業関係に従事する人においても身体を使った仕事をおもに行っていました。その後のハイテクの進歩によって労働パターンは変化してきました。その結果として生活もとても便利になりました。交通機関の発達によって移動には歩行という労力を使わずに建物の中などもエレベーターやエスカレーターを利用することもほうが多いとおもいます。このようなことからもわかるとおり日本人の運動量や強度、運動時間は激減しています。

また日本人の食生活は、欧米化により大きく変革を遂げており食事と運動の変化によって成人病が増加してしまい1990年代半ばには厚生省では「成人病」から「生活習慣病」というように呼称を変えました。生活習慣病を予防するためには運動がかかさないといえますが、運動が苦手という人は継続することが難しいですよね。音楽をつかった運動などをおこなえばモチベーションもあがってくるのではないでしょうか。ウォーキングなどをするときもipodなどを携帯しておこなってみるといつもよりも長い距離を歩けるかもしれませんよ!

 

 

近代音楽療法が誕生した背景

近代音楽療法が誕生したのは20世紀初頭のアメリカからでした。トーマス・ギルドの「治療音楽会」より近代音楽療法の大きなうねりが始まり精神病院で生活する人々に対して、篤志団体の慰問などが行なわれていました。そのような慈善的な慰問音楽活動のことを「治療音楽会」と呼んでいました。この慰問活動は、少人数の音楽家たちがグループを作り性差院病院を訪ねて音楽を演奏していたのです。

エヴァ・ヴェスツェリスは、アメリカで最初の音楽療法会を創始しました。音楽療法界はニューヨーク市治療協会という名称で1903年に創設されてました。彼女は依頼に応じて音楽の出前演奏をおこない音楽療法を試みました。音楽をの4種類に分類して症状に応じた音楽の使用を提唱したそうです。その4種類の音楽とは①tonic(強心剤), ②stimulant(刺激剤),③ sedative(鎮静剤),四 narcotic(催眠剤)です。このような彼女の考え方は、ポドルスキーに受け継がれて音楽治療の1つの流れとなりました。

実は音楽療法が発展した要因のひとつは戦争です。ヴァン・デ・ウォールはWillem Van de Wall-メトロポリタン歌劇場のハープ奏者なのですが第一次大戦中に海軍バンドに参加することによって音楽のもつ力を実感して音楽を精神的に病む人達の治療と予防に役立てることを決心したそうです。

精神病院の音楽部門の目的としては患者のなかに潜伏して禁止されたまま利用されていない心身の力を賦活したり患者の人格的な荒廃をできるだけ防いで他の治療法とあわせて人間的かつ社会的な統一体として患者たちが再び働けるように、エネルギーの再分配を計ることというように精神病者の社会復帰に貢献することを目的としました。

 

 

音楽療法の効果について

音楽療法によって痴呆症状が軽くなる理由としてあげられることは指先や手、身体を動かすことによって脳の神経細胞を刺激しますので日中に心身機能を活性化することになります。そのことによってサーカディアンリズムが戻るということなのです。

音楽療法はADL向上にも効き目があります。―身体面での効果にはどのようなものがあるかというとプログラムでは、胸式や腹式呼吸によって肺活量を増やしていき大きな声で発声をおこないます。そうすることによって、体内に酸素をたくさん取り入れられることや炭酸ガスが排出されることになりますので、内蔵機能が高まっていき血行もよくなります。

有酸素運動は身体だけでなく、精神面にもとてもよい効果があるのです。脳内ホルモンが活性化されていき抑うつ症状が改善されるそうですよ。また、手指を使うことによって関節が柔軟になっていきます。これはADL(日常生活動作)を維持するためにはとても大切なことなのです。それに身体のバランスをとりながらリズムを刻むと座位が保てるようにもなりますよ。上半身を揺らすときは、どうしても足を踏ん張りますからそのためそういった効果がでてくるのです。

音楽療法が身体に及ぼす効果は胸式・腹式呼吸をおこなうことによって内蔵機能が向上していき血行が促進されます。また手指を使うことによって関節が柔軟になりますのでADLが向上(維持)していきます。ほかにも身体のバランスをとることによって座位が保てるようになりますよ。

 

 

音楽療法講座

音楽療法講座は、現代社会のなかでストレスの多いことから音楽によるリラクゼーションが近年ではとても身近なものになっており最近は特に新聞やテレビなどのメディアでも注目されつつあります。「音楽療法」(リハビリテーション・ミュージック)とは、音楽を使って心身のリハビリテーション(機能回復)に役立てようというものです。この音楽療法にはさまざまな方法や効果がありますが、主に楽器の演奏、歌、リズムなどによって精神的な心の開放や、呼吸などの機能回復などに役立つことがわかっています。

音楽療法の主な活躍の場ですが、対象となる方は多岐に渡るのですが、大きく分けると児童や成人、高齢者とに分けることができます。発達障害をはじめとして身体障害や喘息、不登校・引きこもりなどの児童に対する音楽療法は、学校や通所(入所)施設、自主グループなどで実際に行われています。また、発達障害や精神障害など成人期の疾患や障害に対しては、作業所や通所(入所)施設、精神科病院などが主な実践の場となっているようです。

ほかにも認知症や加齢に伴うさまざまな慢性疾患・障害、脳卒中後遺症などを抱える高齢期の方々に対しては、病院や老人保健施設、通所、入所の高齢者施設などの場所で音楽療法が取り入れられています。くわえて終末期医療や緩和ケアの領域でも音楽療法は取り入れられています。音楽療法の現場は、医療や福祉、教育など多岐にわたっております。またストレス社会における、自己啓発や予防としても近年では注目を浴びてきています。現在の日本は近い将来に超高齢化社会を迎えようとしていますし、また障害や健康に対する意識が徐々に変わりつつあります。そのため音楽療法に対する期待がとても高まってきています。

 

 

音楽療法と波動

音楽療法とはどういったものなのでしょうか。音楽は、リズムとメロディ、そしてハーモニーで出来上がっている波動のことです。脳波ももちろん波動です。α波も波動なのです。波動に波動を合わせていけば共鳴して、波形が変化していきます。元気なときや具合が悪いとき、落ちこんでいる時というように色々な身体の状態で、波形のパターンが変わっていきます。脳波のパターンを変えることによって病気の治療や予防をするということが音楽療法なのです。

音楽には人をリラックスさせたり、その活力を引き出す不思議な力があります。こういった誰にでも経験があるこうした効果を、医療や福祉の現場から積極的に活用するのが『音楽療法』なのです。痴呆症のかたが活発な反応を見せるというように、一定の成果が報告されています。これは高齢者と暮らす過程でも応用することができそうですよね。音楽療法が始まったのは1950年代の米国と言われています。

日本ではまだ歴史が浅いのですが、全日本音楽療法連盟(全音連・東京都大田区)によれば一定の臨床経験などの審査を経て、これまでに約340人の音楽療法士が生まれています。病気の原因はピラゴラスはかく語りきです。“病気の原因は魂の不調和である”ということ、“音楽は宇宙法則の反映”であること、“音楽は魂を調律して、覚醒させる”ということ、“音楽は魂を本来の姿に戻す”ということなのです。

 

 

遺伝子も音楽を奏でる

遺伝子も音楽を奏でるということをご存知ですか? 「遺伝子は、生体の機能や形態に関係している情報カプセルです。DNAで出来ており、DNAの遺伝子情報は実はたった4つの塩基(アデニン[A]、グアニン[G]、チミン[T]、シトシン[C])から構成されています。塩基とピッチ(音の高さ)との関係についてGCTA=レミソラとして、シンセサイザーで表現しました。これは国立がんセンター研究所の宗像信生博士がおこなったのです。

リズムと生命活動についてですが、[8~12ヘルツ/1秒]=(α波)の刺激を与えてあげると人間は意識が変わります。そのため気を失ったり発作を引き起こすことさえもあるのです。これはL・ワ トソン著「Super Nature」からの引用です。[10~20/1秒]の場合は、人を無鉄砲にさせます。これはイギリス音響学会からの引用で次に性欲を刺激することも可能なのです。脳波にたいして電磁波(音・光・磁気)を一定のリズムを与えれば脳波のリズムを変えることが出来るのです。

「例えば、脳波をα波のリラックス状態にさせたいときはには8~12ヘルツ/1秒で振動する電磁波を放射します。そうすることによって共鳴現象が起きます。これに脳波が同調してα波となってリラックスすることができるのです。こういった内容の実験をM・G・リグが88名の学生にたいしておこないました。リズムが速くなれば、楽しい幸福な感じがしたり、リズムが遅くなれば、真剣な悲しい気分になるということがわかったのです。かの有名なベートーベン「運命」の冒頭音楽でみてみると「最後の「ジャーン」は、最初の「ジャジャジャ」よりも音程が3度下がっています。そのことで絶望や悲しみなどを表現しています。